3.現代社会が抱えている問題

先ほど触れたように、現在人類は非常に多くの問題を抱えています。ゴミの問題も、早急に解決しな
ければなりません。これは、現在行われている「出てしまったゴミを処理する」という考え方では多
分、全く解決しないのだと思います。さしあたって、やらないより、やった方がよいのでしょうけど、
ゴミ処理の技術の開発では多分全くだめだと思います。考え方は今までの延長に過ぎないからです。
「いらなくなってもゴミにならない物を作るシステムの作り方の開発」つまり、現在までの「ゴミが
発生するシステム」を変えなければならないのだと思います。
これは今までの産業の根本的な発想に関わることであり、今まで人類が、息巻いてやってきたことの
完全否定であり、大意識変革を伴わねばできないことだと思います。今までの考え方の上に積み重ね
たのではとても無理で、発想の転換無くしては本当の解決策を見つけることは出来ないと思います。

また、現在、フロンによるオゾンホールの問題もあります。オゾンホールが発生したということは、
有害な紫外線から生物を守ってくれてきた防御壁であるオゾン層が破壊されつつあることです。これ
こそ、とんでもない問題です。地球上のあらゆる生物にとって致命傷になるかも知れない問題なわけ
です。
人間は、何とか紫外線に当たらないように、逃られるかもしれませんが、植物はそうはいきません。
光合成が正常におこなわれずに、壊滅する可能性もあります。

ご存じのように、光合成は太陽エネルギーを私達のための食物に変換してくれる、唯一のとても重要
な、自然の仕組みです。私達にとっては、生きるために太陽エネルギーに依存している最も重要な環
境メカニズムの1つです。空気や水があることと同ぐらい重要なメカニズムであるわけです。
私達、地上の生物が生まれてきたのは、植物の光合成によって紫外線防御壁であるオゾン層が作られ
たからだといわれていますが、その原点が壊されてしまうということは想像を絶することのような気
がします。このことは、実は多分、非常に異常な事態なのだと思います。しかし、まだ私達は実感と
して感じていないわけです。感じていないという事実をもう自覚しなければいけないと思うんですけ
どね。

また、二酸化炭素による地球温暖化の問題もあります。これはまさに化石エネルギー消費による問題
です。この問題が、今日の大きなテーマであります。
勿論、ゴミも、オゾンホールも「省エネ」と全く同じ問題であり、切り離して考えることは出来ませ
ん。

現在、二酸化炭素は、すでに地球上で増加しつつありますし、多分それにより、地球上の平均気温が
上がっています。それは「二酸化炭素が吸収されていない」とか、少なくとも「吸収される量よりも、
放出される量の方が多い」ということです。既に、地球というとてもデリケートな自然体系のバラン
スが崩れたわけです。植物の光合成や他のメカニズムで固定されるより、「化石燃料の燃焼から排出
される二酸化炭素の方が多い」から増加しているのでしょう。

二酸化炭素の吸収に大きなウエイトを占める生態系の一つが、森林と言われていますが、これは言葉
を換えると、光合成により木材の中に炭素を固定するということになります。これから森林をどんど
ん増やせば良いのかもしれませんが、地球規模で見ると、現在それは明らかに逆方向に進んでいるよ
うに思います。「省エネ」が「化石エネルギーの節約」などと生ぬるいことは言っていられない状況
である気がします。いくら節約したって、増加することには、変わりないからです。

現在の私たちは、こんな状況の中にいると思うのですが、そのなかで、新築や改築を生活のために行
わなければなりません。何とかそれらの問題を問題として見つめながら、解決策を見つけ出して21世
紀にも堂々と存在できる住まいが作れればと思います。