9.21世紀の「省エネ住宅」とは
  〜風土が要求する人間の知恵〜

21世紀に目指す「省エネ住宅」とは一言でいうと、「太陽エネルギーだけで成り立つ住宅」というこ
とだと思います。
つまり「風土」の特性を最大限利用するためにふさわしい形、仕組み、素材を考えて、「住まいを作
る」ことだと思います。それは、一見、昔の家を作ることのようにも聞こえるかも知れませんが、単
に昔の家を真似て作ることではありません。その土地の人々が何百年も何千年もかけて試行錯誤して
蓄積してきた、太陽エネルギーと自然の原理を利用して、「より快適に生きていく」方法と知恵を、
もう一度学び直すべきだということです。その方法と知恵に学びながら、現代の技術を活用してもう
一度基本から考え直してみようではないかということです。

そうした考え方が、21世紀の初めの新しい「家づくりのための省エネ」の基本であろうと思います。
今まで、石油文明の中にどっぷり浸かって、長い時間が過ぎてしまったわけですから、その間に、多
くの貴重な伝承すべき「考え方」や「技術」が忘れられて、捨て去られてしまったわけです。それを
もう一度、「風土」といいましょうか「与えられた環境」の利用を原点に据えた「快適な家の建て方」
を追求すべきであると思います。
今まで、「石油」前提の中で作って来た文化の方向の全てを否定することは、簡単にはできませんが、
住まいにおいて石油エネルギーを後から適当に投入すれば、暑さ、寒さは何とかなるという安易な考
え方で「住まいの形を決める」ことはこの辺で、20世紀で、打ち止めにした方が良いだろうと思いま
す。これを、安易な名前の付け方ですが、私は「21世紀の昔の家」または「21世紀の昔風の家」また
は「昔風理念の21世紀の家」と言いたいと思います。

第一段階は「断熱による、徹底的な石油の節約」。

第二段階は出来るだけ太陽エネルギーを取り込み、さらに石油の節約をはかる。「石油エネルギー」
と「太陽エネルギー」のハイブリッドです。具体的にはOMソーラーがこれに近いのかも知れません。
OMソーラーは新しいソーラーハウスという住宅の提案な訳ですから。「エアーサイクルの家」もそ
うなのかもしれません。こういう物が出てくるということは、時代が変わるということなのだと思う
のです。つまり、それの前兆なわけですね。

第三段階は石油エネルギーとは決別して、「21世紀の昔の家」を作ることだと思います。

これらを実現するためには、もちろん私だけではできませんし、今、誰が設計出来るのかも解りませ
んが、開発するためには、これから「新築される方の理解と意識」が最も重要だと思います。一軒一
軒、設計家の方と共同で造り上げていかなければならないのだと思います。それが、これから新しい
「省エネ時代」を築く第一歩だと思います。