11.戦後の住宅の変化

戦後の建物の変化を見て行きたいと思います。まず、現在の住宅に行き着くまでの建物の変化につい
て見ていきますと、戦後、住宅内の温熱環境を大きく変えたのは、何と言っても「アルミサッシ」の
普及であったと思います。
木製開口部に比べての気密性能が格段に良くなったわけです。次にその中に開放型の石油ストーブや
ガスストーブが入って行くわけですが、ここで先ず問題が発生しました。
アルミサッシにより密閉性が良くなったため、結露の問題が発生し始めたのです。開放型の石油スト
ーブやガスストーブは燃焼することにより、大量の水蒸気を室内に発生させます。今まで通りの、適
度の隙間のある家であれば、自然に水蒸気も外に排出されてしまい、結露の問題は起こりませんでし
た。水蒸気が隙間から逃げてしまうということは、当然、熱も逃げてしまうということです。アルミ
サッシにする事により、隙間からの熱の逃げはかなり抑えられるようになったのですが、その分、水
蒸気も抜けずに、冷えた部分で結露してしまったわけです。
特に、コンクリートの建物は断熱されずに、密閉性だけが増したため、あらゆる部分で結露が発生し
てしまったわけです。勿論、断熱材も普及し始めていましたが、結露防止を考えた施工など、全くと
言って良いほど行われていませんでした。

そんな中でオイルショックが起こり、石油の節約機運が高まったわけです。北海道は特に断熱材を多
く使うようになりましたが、結露対策まで行われなかったため、壁内結露が発生し、木材を腐らせ、
大きな被害になりました。
そのため、防湿層が室内側に張られるようになりました。それは同時に壁の気密状態を良くすること
になり、より一層の断熱効果を生み出すことになりました。これが高断熱・高気密住宅の始まりでし
た。

最近になって最も注目すべき住宅の変化としては、先ほどお話しいたしましたOMソーラーハウスの
出現があります。
また2000年に、実験住宅としてオールアルミの家が出来ました。これはどんな変化を住宅にもたらす
かと言いますと、アルミで家が作れるということではなくて、アルミの熱伝導率の非常に優れた特性
を生かした、建築部材がこらから作られて行く可能性があるということです。熱的に優れた特性の部
材は、21世紀の住宅にはなくてはならないだろうと思うからです。

以上のようなことが、大雑把な住宅の熱特性の変化ですが、ここで、住宅を設計するに当たりどんな
ことに気を付けなければならないかを述べてみたいと思います。