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『遠赤外線』はあらゆるものから出ている

最近、改めて他社の床暖房をネットで見ていたら、
「遠赤外線」を宣伝文句に使っている床暖房が多い事を発見した。
未だに「遠赤外線」と書いてあるだけで商品を選ぶ社会レベルなのかと思ってゾッとした。
以前、「御社のアクアレイヤー床暖房は遠赤外線が出ますか?」
と言う質問を何度か建築士の方から受けた事がある。
初めは、こちらを試しているのかと思ったが、本気で質問している事が分かってとてもビックリした。
確かに「遠赤外線」は物理の範囲の事であるが、
この程度のことは現代社会の中で生きて行く上では常識にして置かないとまずい事だと思う。

aquaLayer himawari

「遠赤外線」と言うと何か特別な赤外線で、特別な効能があるように言われている事が多いが、
私たちは常時「遠赤外線」の中で生活している訳である。
地球上は適度な温熱環境であった為に、私たちを含めた生命体が発生でき、生きていけるのです。
「適度な温熱環境」とは、詰まり「遠赤外線」の満ちあふれた暖かい環境の事である。

また、「遠赤外線」と言っても可視光線の中で最も波長の長い赤色より更に長い光なので
「赤の外」で『赤外線』と言っている訳で、
その中でも波長の長い方を便宜上「遠赤外線」と言って分類しているに過ぎない。
「遠赤外線」の環境の中で生活しているのに改めて「遠赤外線」でもない。

aquaLayer denjiha_graph       ▲電磁波による遠赤外線の位置づけ(画像:一般社団法人赤外線協会より)▲

しかし、千歩譲って、もし床暖房本体から特殊な「遠赤外線」なる物が出ていたとしても、
それが床材を通り抜ける訳ではない。
ですから床暖房本体から「遠赤外線」が出ていようがいまいが性能には何の関係もないのである。
(「遠赤外線で身体の芯から温まる」というのも勿論、遠赤外線が芯に直接届く訳ではない)
床材の表面から出ている遠赤外線は、床暖房本体から出ている熱が、
伝導によって床材表面に伝えられ、そこから出た遠赤外線であり、
それは床材の表面塗装の特性が決める物である。
床暖房本体から出ている遠赤外線とは何の関係もないのである。
但し、床材の表面塗装の特性と言っても遠赤外線の出る優劣は殆ど関係ないと言って良いので、
床材の選択に神経質になる事はない。
未だに「遠赤外線」などと言っている事が余りにもバカバカしいので、
ついつい当たり前のことを書いてしまった。