用途 | 店舗併用住宅(住宅+飲食店) |
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構造規模 | 木造2階建て |
延床面積 | 157㎡(住宅85㎡+店舗72㎡) |
建物熱性能 | Q値=1.93W/㎡K |
厚さ | 90㎜ |
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長さ | 162.95m |
水量 | 3.48t |
敷設面積 | Q値=85㎡ |
敷設階 | UA値=2階 |
熱容量(水全体) | 約3,480kcal/℃(14,570kJ/K) |
熱容量(平米あたり) | Q値=22.17kcal/㎡・℃=92.8kJ/㎡・K |
熱源 | UA値=薪ストーブ+エアコン(床下設置2台) |
地域 | 新潟県 |
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設計 | 古川都市建築計画 |
Photo | Q値=©櫻井大士 / ほか |
薪ストーブで温める水蓄熱アクアレイヤー 夏はエアコンで冷やします。
↓↓↓ 写真/櫻井大士
1階の営業時間に蓄えた快適温度を夜間には2階の住まいで使います。
これがアクアレイヤーの最大の特長である蓄熱力にできる技です。
建物の真ん中(1階と2階の間)に快適温度を蓄えて、建物内の放射温度を蓄えます。
メインの冷房は一番高いところに取り付けたエアコンから冷気を降らします。
1階のお店は、不特定多数のお客様が出入りをされるので床下エアコンに加えて壁掛けエアコンで冷房します。
床下ACはストップ壁掛けエアコンで室内をドライにする
床下ACで昼間のうちに輻射環境を整える。壁掛けエアコンでそよそよと風を感じる。朝晩は床下ACはストップ
↓↓↓ 写真/イゼナ
↓↓↓ 写真/櫻井大士
↓↓↓ 写真/櫻井大士
経緯・快適な室内温熱環境を求めて
地の美味しい魚などを活かした和定食店と、その店主ご夫妻が住まう住宅。 ご夫妻は来客をバリアフリーで迎えたかったため、1階が店舗、2階を住宅とした木造2階建ての店舗併用住宅を計画することになり、その室内温熱環境が課題となりました。
場所は海岸から1キロ圏内。積雪もある上越市です。 店主ご夫妻は、冬の寒さ、夏の蒸し暑さを解消するため、店舗と住宅の冷暖房設備に悩まれました。 店の仕入れや仕込み、打合せや営業、住まいの家事、日中の休憩や就寝など、日々店舗と住宅を不規則に行き来するライフスタイルのため、都度それぞれの空間を温めたり冷やしたりすることは、とても非効率だという問題です。 店舗は厨房の熱を排出する換気設備によって、また来客の頻繁な出入りによって、空気の流れが不安定。 エアコンだけに頼る空調設備では無駄が多過ぎる。 土間床の底冷えも懸念されました。
従って、エネルギー効率を加味しながら、屋内全体で出来るだけむらのない「輻射熱」を活用した心地良い環境にしたいと考えました。 しかし1階の店舗床はコンクリート土間仕上げ。清掃で水もまくため、輻射熱が期待できる床暖房形式を採用出来ない。 お客様へのケアを重視し店内の見通し確保で店舗空間の壁が少ないため、壁からの輻射熱設備も考えにくい状況でした。
計画・年間を通して快適を手に入れる
水蓄熱アクアレイヤーの発案者、株式会社イゼナ前田誠一さんに相談。当初から店舗の顔として店主ご夫妻が設置予定とした薪ストーブの熱に着目。余りある暖気を1階店舗と2階住宅を分ける天井懐内に送り込み、2階床全体に敷き詰めた水袋アクアレイヤーに蓄熱。2階は床から、1階は天井から輻射熱主体で空間を温める事を発案され、ご提案して頂きました。2階に取り付け予定だった住宅用のエアコンを天井懐内で送風に活用。冷房に切り替えると、輻射で夏の蒸し暑さも解消出来るというアイディアも生まれました。大前提として建物外側は、高気密・高断熱で構造的にもしっかりつくる。室内は輻射熱による温熱環境により、壁の少ないワンルームスタイルで空間の自由度も確保できました。
感想・水蓄熱アクアレイヤーを採用してみて
水蓄熱アクアレイヤーは基本的に丈夫な水袋(蓄熱層)。他の様々な主役システムを助ける名脇役と言えます。今回は主たる熱源が薪ストーブでしたが、太陽熱や他の熱源、床暖房機器などと合わせることで、様々なシステムに進化できる可能性を感じました。水袋が約70kg/㎡でその荷重を加味した構造計算は必要。木造だったため少々柱の追加等がありましたが、構造計画上の大きな修正になるほどの負担は感じませんでした。熱の伝わり方、あるいは通り道を、より意識したつくりを共有し理解することで、クライアントご家族は、むらのない「輻射熱」を活かした心地良い店舗併用住宅を実現されました。今後も水蓄熱アクアレイヤーの可能性に注目していきたいと考えています。