用途 | 専用住宅 |
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構造規模 | 木造 地上2階建て |
延床面積 | 112.62㎡ |
建物熱性能 | Q値=1.84W/㎡K |
建物熱性能 | UA値=0.48W/㎡K |
厚さ | 90mm |
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長さ | 119.7m |
水量 | 2.42t |
敷設階 | 1階 |
熱容量(水全体) | 10,125kJ/K |
熱容量(平米あたり) | 89.9kJ/㎡・K |
熱源 | 床下エアコン(AIRアクア:夏冬使用) |
地域 | 茨城県つくば市 |
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設計 | 設計事務所アーキプレイス |
Photo | ©大沢誠一 / ©Archiplace |
【設計者のコメント】 エアコンのような風が体にダイレクトに当たる局所的な冷暖房ではなく、水蓄熱アクアレイヤーの輻射による暖かさや冷たさは、家全体を温度ムラのない快適な室内環境に保ちます。 水を用いた蓄熱システムは、安価でメンテナンスフリー。 熱源は一般的な壁掛けエアコンで、イニシャルもランニングも経済的なところが設計者としては気に入っています。 建主の方からは、夏も冬も快適で、かつ経済的と好評をいただいています。
場所による温度差の少ない室内温度環境を求められた住宅でした。
1階床下にアクアレイヤーを敷設して、床下エアコン1台で可能な限り全館空調をする計画です。
1、2階は吹抜によるつながりの無い空間構成のため、建物の真ん中にカウンターアローファンのダクトを設置して、
床下の冷気や暖気を2階にも届け、冷気はLDKにも降らせるように計画しました。
酷暑だった2024年の夏を快適にお過ごしいただけたようでとても嬉しく思います。
パブリックスペースをエアコン1台で賄う想定でのご提案
断熱・気密・蓄熱を強化
・断熱
断熱等級6(HEAT20 G2)を目標に、HEAT20 G1以上を確保。
・気密
丁寧に断熱を施すことでそこそこの気密は確保できる。
・蓄熱
水蓄熱アクアレイヤー + コンクリートスラブ
1Fのパブリックスペースと2Fの水まわり用
→1F床下にエアコン1台
1F床下から2F洗面室まで結ぶダクトとカウンターアローファン
2Fの個室
→各エアコン設置orカウンターアローファン設置(PLANからダクトの設置は困難)
検討の結果、主寝室にのみエアコンを設置
【冬季】
床下エアコンを運転して、アクアレイヤーをあたためながら床スリットや巾木から暖気がゆるゆると上昇します。
カウンターアローファンを運転し2Fの水まわり空間もあたためます。
床下のアクアレイヤーが隅々まで熱を運ぶことで、温度ムラのない室内環境を提供します。
温度の目安
水温23~25℃
室温20~22℃
※数値には個人差があります。
【夏季】
床下エアコンを運転して、アクアレイヤーを冷やします。
カウンターアローファンを運転して、床下の冷気をLDKと水回りに降らせます。
アクアレイヤーにより輻射環境が整い、空気も少し動いて涼気を感じられる、さわやかな室内環境を提供します。
温度の目安
水温23~27℃
室温25~28℃
※数値には個人差があります。
《エアコン運転時》
床下に温風を通して水蓄熱アクアレイヤーとコンクリートスラブをあたためます。
水は自然対流でも熱を運ぶため、コンクリートスラブより早くあたたまります。
《エアコン停止時》
エアコンを停止して熱の供給がストップすると、コンクリートスラブより高温になっている水蓄熱アクアレイヤーからコンクリートスラブに輻射します。
エアコンはストップしているのにコンクリートスラブの温度は上昇し続けます。
コンクリートスラブと水の温度が均一になるまで蓄熱は続き、より温度の安定度がアップします。
Airメタル設置施工の様子
夏は今年の酷暑でも快適に過ごすことができました。玄関に入れば家の中はどこでも快適、というのが素晴らしいです。
エアコンの設定は、日中は22~24度、夜は25度で、涼しい日は消していました。
寝室に単独で付けたエアコンは、戸を閉め切って就寝するときはつけていましたが、開けていれば使わずとも快適でした。